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 毎日新聞・医療&健康ナビ

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精神医療のセカンドオピニオン どんな場合に検討すべきでしょうか。

◇治療の疑問、不安解消を

 がんや脳卒中、急性心筋梗塞(こうそく)、糖尿病の「4疾病」に加え、「5疾病」として新たに重点的に対策に取り組むことになった精神疾患。患者数は約323万人(08年)にも上るが、治療への疑問や不満も少なくないという。専門家は「場合によっては精神科でもセカンドオピニオンを求めた方がいい」と指摘する。

◇服薬1回20錠

 東京都内の女性(17)は07年春、地元の中学校に入学。人付き合いが不得意で、拒食症状が出始めるなどし、徐々に登校できなくなった。自治体の相談室の臨床心理士に教えてもらった心療内科診療所を受診。医師に勧められ、その年の7月、総合病院の精神科に入院した。

 面会謝絶で1週間ぶりに娘と顔を合わせた母親(51)は驚いた。目はうつろで、看護師に脇を支えられないとふらついて歩けなくなっていた。適応障害で3カ月の入院と診断された。


 しかし、3カ月たっても症状はよくならない。不安を訴えると向精神薬の量が増えた。08年の冬、1回の服薬量は8種類で計20錠に。母親は「普通じゃない」と感じ、ネットを通じてたどり着いた別の診療所の医師にセカンドオピニオンを求めた。


 「薬を減らせば症状はよくなる」と助言され、娘を退院させた。医師の指導に従い、時間をかけて減らしていくと「食べたくない」「不安になる」といった症状が一つずつなくなっていった。服用していた向精神薬がゼロになったのは昨年8月。入院前の表情が戻った女性は今、高校に通っている。

客観的指標なく

 なぜ患者は診断や処方に疑問を持つのか。日本精神神経学会の薬事委員を務める北里大精神科の宮岡等教授は「私個人の見解だが、精神科の診断では客観的な指標がなく、患者さんの話から症状を判断する。性格や環境によっても差が出やすい」と指摘。患者ごとに治療方針を変えざるを得ない部分が大きいため、一般的な治療指針を作るのが難しいという。また、国立精神・神経医療研究センターの松本俊彦・診断治療開発研究室長は「診療時間が短く患者が医師を信頼せず、薬をもらうだけの関係になりやすい」と言う。

 宮岡教授は、患者が主治医以外の意見を求めた方がいいいくつかのケースを紹介している。

初めての治療で同系統の薬剤が2種類以上処方された

 向精神薬は、抗うつ薬▽気分調整薬▽抗精神病薬▽抗不安薬▽睡眠薬−−などに分けられる。宮岡教授は「通常、最初から同じ系統の薬を2種類以上処方することはない」と話す。

精神療法しかない、薬物療法しかないなど治療方法が一つしかないかのように説明された

 精神疾患の治療では、いくつかの治療法が示され、医師と相談しながら方針を決めていく。薬物療法が中心でも、職場環境の調整やストレスへの対処、家族の対応の仕方などに助言が必要なことが多いためだ。

夜間や休日は一切対応できないと言われた

 病院など日直や当直の精神科医がいる医療機関は、電話などで対応してくれる場合が多い。院長から携帯電話の番号を伝えられ、具合が悪いときに助言してくれたり、提携の医療機関に時間外診療を依頼してくれる場合もある。

治療を続けている段階で「症状が悪くなった」と言うと薬がどんどん増えた

 症状の悪化や薬の副作用、薬を減らしたことによる離脱症状は区別しにくい場合があり、薬を増やしたり減らしたりすることで対応すべきか、環境を調整するなど他の方法で対応した方がいいのか慎重な判断が求められる。
 ただし、こうした指標に当てはまっても適切な治療がなされていることもあり、必ずしも主治医の治療方法が好ましくないということではない。宮岡教授は「すぐに主治医を代えたり自分で薬を減らしたりせず、複数の医師の意見を聞いてみてほしい」と話す。【奥山智己】

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■北里大の宮岡等教授が指摘する主治医以外にも相談した方がいい主なケース

初めてかかった時

□記述式アンケートだけで診断しているようにみえる

□うつ病の症状だけ質問され「抗うつ薬を飲み休めば治る」と説明された

□薬の副作用の説明がない、または副作用なしと説明された


治療を続けている時

□同系統の薬剤が3種類以上処方されている

□長期間の精神療法やカウンセリングでも改善しない

□医師が説明を拒んだり、質問しにくいような雰囲気になる


毎日新聞 2012318日 東京朝刊

毎日新聞のくらしナビ・医療&健康に掲載されていました。



   
 
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