ドキュメント映画「ただいま、それぞれの居場所」上映会にあたって！

  　　　　　　　　　　　　　　　　NPO法人宮崎もやいの会代表　小林　順一

１０月１６日に、書で障害者支援を実施している「あわいや」の生駒新一郎さんと共催で「ただいま、それぞれの居場所」の上映会をやるので、市民文化ホールの打合せに行ってきました。

この映画が制作されたときから機会があったら上映会をやってみたいと思っていた映画です。

４つの介護サービス施設を取材したドキュメント映画で、以前から精神障害関係以外の施設で興味を持っていた千葉県の「井戸端げんき」という介護施設が取材されていることが上映する切っ掛けでもあります。

この「井戸端げんき」を知る切っ掛けは、NHKの番組で取材されているのを見た時に、家族の事情によって早朝から利用者の自宅に迎えにいき開所時間までコンビニの駐車場で時間をつぶす姿が写されている時に、何で施設に行かないのかと聞いたら法律で開所時間にならないと利用者は施設に入れないことになっているという在り方に利用者のニーズに応えきれていない現実を見た気がしました。

多くの介護施設は、いくら家族の事情があったとしても時間外から迎えに行って対応をするということには消極的な施設が多い中、積極的に対応する施設があることにビックリしたし、このような制度の枠からはみ出す利用者に対してしっかり支援をすることが本来の介護ではないかと問いかけながら運営しているとこに共感をした次第です。

また、うつ病の方に高齢者の話を聞くという仕事だけでよいということで雇用していることに、精神障害者の特性を生かした雇用の仕組みをつくりだし、精神障害者に対する雇用の道を切り開いていることに感心しました。

以前、運営者が大きな施設にいた時に体験した介護の在り方に対して、これでよいのかという疑問を持って、自分なりに思い描く介護を考えたら、小規模で利用者に密着した介護施設だったので、２００２年に開設した、という経歴の持ち主に興味を引かれ、若い介護者が希望を持って新たな介護の世界を作り上げようとしているとこに共感した次第です。

今では、全国区になって若い介護者のモデルになっている施設です。

日　時：１０月１６日（金曜）
　　　　受付：１８時、開演：１８時３０分、終演：２１時１０分
場　所：市民文化ホール　イベントホール
入場料：無料

『ただいま それぞれの居場所』のチラシができました、と生駒さんから連絡があったのでマックで待ち合わせて受け取りに行きました。

早速、１７日に「ふれあい交流会」を本郷地区で開催するので心ある方には手配りで渡す予定です。

上映会に関して、今、なぜこの映画「ただいま それぞれの居場所」なのか、ということを開催する側としては考えなければならないので、会うたびにそのことが課題であるという共通認識を持って話しあうことが新しい気づきにつながり楽しいものです。

この映画には、今日的なテーマがあるから開催するので、既存の介護ではなく、美化していることもなく、赤裸々に利用者と介護者が向き合って日々の苦楽を共に受入れて、新しい介護の世界を作り出そうとしているとこには、既存の制度から考えたらリスクを背負うこともありますが、制度からはみ出すことを恐れず実践を通じて道を切り開こうとしているとこが魅力なのです。

宮�ｱにも心ある介護者＝援助者がいるのは現実なので、この映画を通じてそのような方の心に響くことでニーズにあった介護＝福祉を提供することを志すことを目指したいものです。

この映画、世の中にはこれほど介護を楽しく（楽と言う意味ではなく）感じながら携わっている介護者がいるということを知ることになります。

決まりきった介護では、やってあげるという一方的な世界としてあるのでマンネリ化して新鮮さを感じることなく惰性でやっている現実がどの世界もはびこっていますが、今回の映画に取りあげられている施設は、利用者に取って居心地のよい施設づくりを目指しているので、条件や枠を取り外さなければならないことにぶつかった時に真摯に取り組んで旧来の施設ではタブーとされた枠を破りながら、利用者の生の歓びを共に感じられることを喜べることが介護者の醍醐味なのではないかと思いながら、新たな施設づくりを実践していることをテーマに取材した映画です。

百聞は一見にしかずではないですが、気づきの多い映画だし、やろうと思えばやれないことはないと言うことを教えてくれる映画です。