「精神障がい者は、今の社会を新しく変えて行く存在である!」          

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精神障害者自立支援ネットワーク宮崎9月定例会

「相模原事件は、措置入院で対処すべきか!」


 
当事者及び参加者感想レポート&コメント


「相模原事件」について

丸山 留美(当事者)

 第1部は、橘弁護士さんの話がありました。

 橘弁護士さんの自己紹介を聞いて、精神障がい者に関する担当の弁護士さんであることを知りました。
 橘弁護士さんに、相模原事件について話していただきました。

 相模原市で起きた重度の知的障がい者が入所している施設での傷害事件に関した厚労省の中間報告を基に説明をしてもらいました。

 容疑者は、措置入院の期間が2週間で退院をしたということを聞いて、私は最初の入院は1ヶ月ぐらいだったので早すぎるのではないかと思いました。

 それと、退院後精神科病院に通院を3回して、自分の判断で通院をやめた、ということを聞いて、私の経験からすると薬がなくなることで不安になり、状態が悪くなることを知っていたので、通院を止めてほしくはなかった。

 第2部では、グループにわかれて話し合いをしました。グループワークでは参加者の色々な意見を聞くことができました。措置入院する期間が2週間は短かったのではないか、とか、2週間ではなくてもっと長く措置入院させる方が良かったのではないか、という意見がでました。自分も同じ考えでした。容疑者は、措置入院して、しっかりと治療して退院して継続した治療を受けることで、少しずつ回復していき、今回のような事件を起こすことはなかったのではないかと思いました。また、手紙を送った時点で犯罪防止の対策をとるべきだったのではないかなとも思いました。

 自分も病気をした人間として、容疑者が仕事に関するトラブルや悩みがある時の最初の段階で悩みを聞いてくれる方が周りにいてくれたら、偏った差別意識にならず、今回の残忍な事件の予防になったのではないかと思いました。


「相模原事件」について

藤崎 可南恵(当事者)

この事件が起こった際、真っ先に報道各社が伝えたのが『犯人に精神科の入院履歴があったこと』だったと記憶しています。
 
 事件の詳細がまだ分かっていない段階にも関わらず、マスコミが水を得た魚のように大々的に報道していく中で感じたのは『精神科入院』という犯人の私情についての連呼と付け焼き刃にしか見えないコメンテーターの方々の私的な見解。真実を報道する筈のマスコミが『精神科入院』という犯人のほんの少しの一面のみを延々と視聴率のために、同じことばかりを放送する異例の事態であった。

このような報道を延々と見せられて、精神科入院歴のある私がもし、交通事故等の過失を誤って起こしてしまった場合、報道で『名前』と『精神科入院』ということを報道されたら、延々と叩かれてしまうのでは、という危機感を覚える程に怖かった。

元々、憶測で語るようなあいまいな報道の仕方自体、私は苦手であったが、今回の報道で後々分かったこととして犯人には『障害者蔑視の傾向があったこと』『手紙を書いた上での計画的犯行であったこと』などを知ったが、精神科入院については、その後も報道され、精神患者=危ない事件の首謀者という構図がより鮮明になっていったように思う。

このままでは私達当事者がいくら精神疾患への偏見を無くすための活動をしても偏った報道によってかき消されてしまうのではないだろうか?

定例会の中で弁護士さんから聞いた話によると、犯人の手紙に『自分は逮捕されても責任能力の面で無罪になる』との表記があるが、それは犯人の誤認であること。責任能力がなくても精神的な治療という形で無期懲役よりも長く拘束されることがあるということが分かった。また、責任能力についても専門家が鑑定した上での結論なので、偽りを隠しきれるものではないことも分かった。

報道のあり方について他の参加者からも怖いと思うという反応があった。私は今回のことで精神疾患者への偏見が助長されるのではないか、という危機感を持っていたのだが、他の参加者から『私の周りにも精神疾患者がいる。明るい方で、一緒にいるとこっちも明るくなれる。今回の報道の後でもその人のことが怖くなったりはしなかった』『精神疾患だとか関係なく、顔を見て話せばきっと友達になれる。精神疾患はその人の一部にすぎない』などとの温かい声が届き、今回話し合ったことで報道が全てではないこと、自分の目で真実を見極めることの大切さ、また、精神疾患者には怖いというイメージが根強いが、イメージを変えられるのも、また、精神疾患者自身の努力次第であるということが再確認できた日になりました。

これからも精神疾患者のイメージアップのために色々と働きかけていきたいです。


「相模原事件」について

日高 信明(当事者)

精神障害者自立支援ネットワーク宮崎の9月定例会に参加しました。

定例会の前半は、弁護士の橘潤先生に「相模原事件は措置入院で対処すべきか!」ということで講演していただきました。

精神障害の当事者として、この事件の報道を主にネットで知ることが多く、精神障害について偏見が助長されるのではないか、措置入院の基準が緩くなるのではないかと不安に思う気持ちが強かったです。

様々な報道のなかで、私は厚労省発表の記事をちゃんと読むように心がけました。

 公式な発表を、ちゃんと知っておかなくてはと思い、9月14日に発表された「相模原市の障害者支援施設における事件の検証及び再発防止策検討チーム」の中間とりまとめの全文を読みました。

読んで感じたことは、

「措置入院決定や措置入院解除は適切だった」
「退院後のサポートは不十分だったと感じる」
「施設の防犯意識は高く、警察とも連携していたので、施設側の落ち度はないのではないか」

「加害者の優生思想は、最初の段階はごく自然な感情から生まれたもので、その後極端な考えを抱くようになるということは、決して特別な人だけが成りうるものではなく、誰もが加害者になりうる可能性がある」

「まず、『しゃべられない障害者は生き地獄だ』と加害者が感じたときに、心理的サポートがあれば、よかったのではないか。未然に防ぐことができたのではないか。介護職へのメンタルサポートや自由に語れる場があれば、思想が偏ったり、凶悪な犯行計画を練って手紙を出したりすることもなかったのではないか」です。

今回、橘弁護士の話を聴き、弁護士が精神障害のある方に対しての対応がしっかりしていて、とても頼もしく感じました。守ってくれる人がいる。そう感じました。

グループワークでは、自分の感じた思いを話すことが出来て良かったです。自分の思いを更に強く持つことが出来ました。

私は措置入院対応については賛成です。不安定な心理状態にあるときに、医療サポートや心理的ケアを受けたいからです。

ただ、この事件が投げかける問題は、多岐に及びます。

結論がでない議論だとしても、繰り返し意見を交換しあうなかで、深く考えていけたらと思います。

 グループワークでも出ましたが、この事件は他人事ではなく、当事者意識をもって「もし自分だったら」という問いかけを忘れてはいけないと思いました。


精神障がい者自立支援ネットワーク宮崎の9月定例会に参加して!

齋藤 義明

現在、私はドッグセラピーという犬と共に人を癒すという活動をしています。その中で少なからず精神障がい者の方と接する機会があります。

今回、精神障がい者自立支援ネットワーク宮崎の定例会に参加し、先日相模原で起きた事件について「相模原事件は措置入院で対処すべきか!」という課題で、弁護士で精神保健当番弁護士の橘潤さんを交えて討論をしました。

皆で討論をしていて感じた事は精神障がいについての認識不足、当事者の家族や公的な施設で精神障がい者に関わった事のある方でさえ知り得てない障がい者による犯罪の認識、情報の乏しさというものを感じました。

当然と言っては恥ずかしい事ですが、私もそんな事も知らなかったのだと痛感させられました。

この認識のなさからくる私達の精神障がい者の方に対する誤解が大きな問題であり、かつ世の中の情報発信の貧弱さという根本的な問題から生じる誤解があると思われました。

今回の定例会に参加し、その事に気づかされ自分の中での精神障がい者に対する大きな認識不足があった事を気づかせていただき、大変感謝し、宮崎でこのような機会を設けて少しでも精神障がい者に対しての情報発信をされている精神障がい者自立支援ネットワーク宮崎の方々の努力に敬意をし、これからも益々の御活躍を心からお祈りします。この度は勉強になりました。


精神障がい者自立支援ネットワーク宮崎の9月定例会に参加して!

瀬戸口 康成

精神の当事者、家族医療関係者、支援者、他の障害当事者40名が参加して「相模原事件は、措置入院で対処すべきか!」というテーマで定例会が開かれた。

 みんな、事件の報道や対応に、やりきれない思いを抱えているようだった。そんな参加者にとって、橘弁護士の講話は、日頃の精神科医の話と視点が違って、新鮮だった。

 講和が終わったら、精神の当事者が、次々と手を挙げて質問した。人権を守る弁護士の公益活動を知って、勇気が出たのではないか。

 橘弁護士は、独自に調査する時間が取れなかったため、厚労省の事件の検証の中間報告をもとに考察した。検証の内容の6項目の中で、措置入院に関連する項目は、いずれも「標準的な判断」とされた。

検証チームが、課題・問題点とした7項目について、全てクリアされれば、事件は防げるかには、橘弁護士は否定的な見解。そもそも、厚労省の問題なのかという疑問が、グループワークで出てきた。

現場の保健師の感覚では、思想の問題を精神の措置入院で扱うべきではないとのこと。私は、公安の事案だと思った。

警察から通報があれば、措置入院の鑑定を求めるのは当然のこと、自治体間で情報共有できなかったのは、国の通達で禁じられているから。報道では、現場の対応が避難されることが多いが、国の情報操作に報道が振り回された感は否めない。

相模原事件では、加害者も被害者も障害者とされ、障害者に対する偏見が助長された。保護者の前でも、精神障害者は怖いと言う人が地域に現れた。

 4月から施行された障害者差別解消法を、今こそ、機能させるべきではないか。当事者や関係者が、差別的な扱いを具体的に示し、合理的な配慮を提案し続けることに、この国の未来はあると思う。

 ネットワークの定例会では、次回1026日も、相模原事件を自分ごととして考える。

当事者や支援者や関係者が、自分ごととして考え、行動し続けることが、一番大切だと思う。

「相模原市の障害者支援施設における事件の検証及び再発防止策検討チーム」の中間とりまとめ

http://www.mhlw.go.jp/stf/shingi2/0000136814.html


精神障がい者自立支援ネットワーク宮崎の9月定例会に参加して!

生駒新一郎

弁護士の話しの最後で、誤った価値観が間違いなくあり、それを押さえ込むことはできず、歪んだ価値観が正しいと思っている人がいるわけで、それを修正するには、教育、哲学、宗教などになるんだろうか、とのご意見には、恐ろしく思えた。私の場合、精神の領域に詳しくないが、だからと言って、分からないではすませられず、このような研修会を通して、知ろうということが大事に思う。医療保護入院、措置入院、医療観察法の入院、初めて耳にすることが多く驚いた。当事者、家族、医療従事者、保健師、弁護士、関係者、と一般の人。それぞれの立場で、何をすべきかを考え実行に移すことなのかなーと思う。専門的領域の視点では、私は考え切れないし、動けない。私ができること、創作、表現を通して、個々の存在意義を伝える活動を続け、共感する個人・団体とつながることかと思う。

定例会に参加しての感想

・どれが正しいか、ご本人に直接合わないとわからない。精神疾患が想像される方の事件は、尾ひれがつきやすい。今回の事件も情報操作されているところも感じられる。首相の意見が偏った世論操作に繋がりかねない。

病院現場では、精神疾患の方との向き合い方で、古い価値観を一掃する動きにある。措置、任意どちらでも、人権擁護のことはご本人に伝えている。

入院後のその先のことについては、法律的見地からご本人への説明を行う役割が必要。精神医療の現場を犯罪を絡めて見て欲しくない。

・私自身、今回の被疑者に関わった専門機関の立場にある。本人は何を求めていたのか。話しを聞ける人はいたのか。専門職と自分の日頃の働きも十分なのか、自問自答させられる。

措置解除すると行政間で連絡を取り合い、退院後のサポートを行うようにしている。ただ、保健師の力量・意識に委ねられていることが多く、保健師の動きしだいでサポートが十分であったり、足りなかったりしている。

今回の被疑者の場合は、誰も退院後に関わっていなかった。どこにでも起こりうることである。

・弁護士さんの話しは、難しいところが多くて、この時間では理解がなかなかできにくかった。ただ、私の中で、亡くなられた方の命を考える。もっと生きたかった方々の命を。被疑者をヒーローにする人達がいたりするが、犯罪を犯した人であり、おかしい。被害にあった方の名前が公表されなかったこともおかしい、納得がいかない。被疑者の人権もだが、無念に命を落とした被害者の人権を考えて欲しい。

・弁護士さんの話し、少し難しいないようであったが、色々と考えさせられた。メディアが人殺しの人間をヒーロー化する旗振りをしているようにある。例えば、殺人を犯した人間が手記をだしたものを大々的にメディアが扱うなど。大麻を使っていたのに何故、警察にいかなかったのか。

被疑者にだけ目が向けられて、犠牲となった被害者の人権に対して、扱われ方が乏しいと思う。


○講話の感想

・弁護士さんとつながることが出来て良かった。

・弁護士さんの役割を知ることが出来た。

・「人を殺してはいけない」という教育

・防犯と地域交流のバランスが難しい

・治療(通院)が途絶えたことが悪かった

・アウトリーチ等による退院後のサポートがあるとよかったのでは。

・措置入院が良い、逮捕拘留が良かったという意見、それぞれありました。

・地域活動支援センターの利用者に、何が一番大事か考えたい。

・犯罪予防のための措置入院であってはいけない。

・情報共有が監視の強化につながらないか危惧する。

・刑事事件の被疑者国選弁護人制度が実現したのが最近(H18年)なのに驚いた。

・責任能力がない場合、医療観察法の入院が長くなる可能性があると知りビックリ。

 ⇒3年程度で退院となることが多い。

・厚労省の検証・課題6項目を全てクリアしても、事件は起きていたのではないか。

○措置入院の利用をどう思うか、自分に何ができるか

・事件を他人ごとに思わないこと(当事者意識)

・孤立させないこと

・コミュニケーション、話せる場が必要

・地域での交流

・精神科への偏見をなくすこと

・思想を持った人を、措置入院で扱うのは疑問。

・公安の対応ではないか。

・自分たちにできることは、安全安心なまちづくり。

・下見の時に声をかけられ、挨拶された地区では、犯行しにくくなる。

・責任能力がないと判断されても無罪放免ではない。

・医療観察法の入院もあることを公表してほしい。

・通院でも、保護観察がある。

・新聞の用語説明で、医療観察法の入院等があることを併記してほしい。

⇒用語説明は、記者が、その都度作成する。

・池田小事件の犯人の精神科通院は詐称だったことは、あまり報道されていない。

・今回の報道も、精神の措置入院の情報が、最初に大きく取り上げられた。

・自分で確認した正しい情報を、ネットや井戸端会議で発言することも必要。

   
 
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