ふれあい交流会報告書
1、開催日時:平成27年9月17日〜平成28年1月15日
2、開催場所:県内18ヵ所の公共施設(公民館、福祉センター、大学研究棟 等)
3、参加者数:668名
4、テーマ
第1部:当事者の語り
テーマ:「私の人生、山あり谷あり!」
第2部:グループワーク
テーマ:「地域で共生していくには!」
第3部:各グループの発表。
5、内 容
1部、当事者の語り
テーマ:「私の人生、山あり谷あり!」
語りの内容は、病気になる前の生活、病気の発症時、障がい者としての生活、を段階的に話してもらって精神障がい者として社会参加することで偏見を受けた体験を話して人権意識を啓発する。また、体験を話すことで精神疾患の理解と予防対策にもつながる。
2部、グループワーク
テーマ:「地域で共生していくには!」
参加者が小グループに分かれてテーマについて話し合う中に当事者が参加して意見を述べることで刷り込まれていたイメージ(怖い・危険)を払拭することができ、一人の人間としてお互い認めあうグループワークになる。
3部、各グループの発表
それぞれのグループがテーマについて話し合った内容がまとめられて発表されることで、人権に関する具体的な提案がでて地域でのこれからの取り組みの参考になる。
6、成 果
第1部:当事者の語り
テーマ:「私の人生、山あり谷あり!」
語ることで、精神障害者であるピアスタッフ自身が自分の人生をふりかえることによって自分を客観的に見つめ、自分を知る切っ掛けになり、持っている資源や特徴やストレングス(強み)を知ることになった。
ピアスタッフが語ることで、精神疾患や障害に関する理解を専門家とは違った視点から、実体験を通しての話しに来場者もダイナミックに受け取ってもらうことで、より理解につながったと思っている。
地域での偏見を感じる体験を語ることで、改めて精神障害者に対する偏見を当事者から聞くことで、実感として感じてもらった。
このことから、これまでの啓発活動や理解促進に関して、当事者抜きの活動には限界があり、資源を持ったピア(仲間)である精神障害当事者の体験を生かした啓発・理解促進活動を推進することで、理解されない現状を変え、差別を解消する機会になると思える。
第2部:グループワーク
テーマ:「地域で共生していくには!」
小グループにわかれた中に必ず精神障害当事者がいるという企画の目的である、接触体験によって親しく和気あいあいと交流できることで精神障害者を特別な人間としてではなく、ただ障害や病気があるということで普通に接することでより理解が進むことを実感することになった。
積極的な意見交換としては、地域に気兼ねなくいける居場所があると引きこもらずに人と接して回復ができるのではないかと、周りの人と接することで自分の状態を伝えることができるので周りも気にせず調子によって接し方を変えればよいということに気づくことになる。
第3部:各グループの発表。
このような交流会は初めてで、精神障がい者と接する機会がないことで偏見や差別が生まれることになるので継続的に開催してほしいという意見発表が多くあったのも事実である。
このようにグループごとに出た意見をまとめて発表する企画にすることでグループワークでの意見交換が活発になり多くの参考になる意見がでたのである。
県との意見交換会での宮崎もやいの会代表・小林の所見
先日、「ふれあい交流会」の担当課である人権同和対策課の担当者との意見交換会があったので、ピアスタッフ3名と参加してきました。
法人として事業を進めていく中で、ピアスタッフのお互い支え合うという意識を生み出すことが事業を達成する道だというコンセプトで取り組んでいたので、必ず地域での交流会終了後にふりかえりをして、今日の語りはどうだったか、とスタッフに意見を求めたり、グループワークでどのような質問があったか、など情報を共有したりしながら、質問によっては答えられないこともあり、それにはこのように応えればよいのでは、というアドバイスしたり、お互いスキルを高めていくということをピアスタッフ同士で話合う機会を作ったことが良い関係を作りだし、次回はもっと改善して参加者に理解される交流会にしようという意欲を生み出すことができました。
そのように交流会の回数を重ねていくごとにふりかえりの回数も重ねて、語りのスキルや質問の応え方のスキルやグループワークでの話し方のスキルなどを高めることができたふれあい交流会になりました。
事業を通じて社会への適応機能が少しでも改善することを目的の一つにしていたので、その意味からピアスタッフ自身が積極的にスキルアップを達成することが出来た事業だったと思っています。
ピアスタッフも今回の事業に関わって、色々気づきがあったり、スキルアップにつながったりしたことが多くあったことを話してくれたので、担当者も事業の成果の一つとして感じてくれたと思います。
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